TOHOKUUNIVERSITY Startup Incubation Center

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INTERVIEWインタビュー

ファイトケミカルプロダクツ株式会社

Phytochem Products Inc.
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ファイトケミカルプロダクツ株式会社

Phytochem Products Inc.
[ お問合せ ]
info[@]phytochem-products.co.jp
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TEL・FAX:022-226-8818
[ ウェブサイト ]
http://www.phytochem-products.co.jp/
[ 所在地 ]
宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-6-40
東北大学連携ビジネスインキュベータT-Biz103号室
INTERVIEW

廃棄されてきた油から
「健康機能成分とバイオ燃料の
製造を可能に」

米油を製造する過程で発生し廃棄されてきた油から、健康や美容面で大きく注目されている「スーパービタミンE」成分を抽出。高純度のスーパービタミンEを、原料として食品や美容関係の企業に販売している。 基盤となっている技術は、東北大学工学研究科・北川尚美教授の画期的な「イオン交換樹脂法」。この技術では廃棄油からビタミンEなどの機能性成分を取り出しながら燃料用バイオディーゼルも同時に製造することが可能で、北川教授は「油中にわずかに含まれる天然の機能性成分の高純度回収とバイオ燃料の量産を可能とする技術」と話す。

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(廃棄油をイオン交換樹脂の入った筒に流し込み、スーパービタミンEの抽出とバイオディーゼルの製造を同時に行う)

バイオディーゼルの製造技術で「スーパービタミンE」を抽出

北川教授は2005年、水処理などに使われている「イオン交換樹脂」を触媒にした世界初のバイオディーゼル製造法を発表し、国内外で大きな話題を呼んだ。バイオディーゼルの実用化に向けて研究を重ねる中で、この技術はバイオ燃料の製造だけでなく、ビタミンEやセサミンなど油の中に溶け込んでいるさまざまな機能性物質を取り出すことにも使えることに気づく。米油を製造する過程で出る廃油をバイオディーゼル製造装置で処理したところ、健康や美容効果の高い「スーパービタミンE」を高純度で取り出すことに成功。研究室の卒業生でプラントエンジニアの加藤牧子さんをCEOに2018年、同技術を事業の最初の柱とする「ファイトケム・プロダクツ」を立ち上げた。(※2020年8月「ファイトケミカルプロダクツ」に社名変更)

「スーパービタミンE」は強い抗酸化力を持つとされ、動脈硬化改善やヒアルロン酸産生、育毛などにも効果があるとして原料が高値で取引されている。成分が壊れやすく抽出しにくいため、これまでは製造に莫大な費用がかかる高純度品は市場になかった。しかし同社の「イオン交換樹脂法」の技術を使えば比較的簡単に、コストを抑えながら高純度のものを取り出すことができるという。加藤代表は「食品会社や化粧品会社から引き合いが強い」といい、同社はこのスーパービタミンEの量産化のため、宮城県内に10億円規模の工場を建設する計画。北川教授は「普及のブレークスルーにしたい」と期待を込める。

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(ファイトケム・プロダクツが製造する高純度のスーパービタミンEを用いたサプリメント)
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世界の「廃棄物」から、燃料やビタミンEを生み出す

国内工場によるスーパービタミンEの本格製造の次の段階で狙うのが、海外展開だ。すでにインドネシアやマレーシアのパーム油を生産するプランテーションやアメリカやインドの企業から装置を導入したいとの要望があるといい、「将来的には装置の販売や、ライセンス関係でこの技術の導入を進め世界展開していきたい」と、北川教授。生産のスケールが大きくなれば高単価のスーパービタミンEだけでなく天然ビタミンEの製造にも拡大でき、従来よりはるかに安くビタミンEを製造できるようになるため「世界中のビタミンEの製造法を置き換える可能性を秘めている」という。

同社の装置では、あらゆる植物由来の廃棄油からスーパービタミンEやビタミンEを抽出しながら、同時に燃料のバイオディーゼル(脂肪酸エステル)を生産することが可能だ。脂肪酸エステルは、シャンプー・リンスや界面活性剤、食品に含まれる乳化剤の原料にもなる。北川教授は「今は“食との競合がある食用油”から作られているあらゆるものを、私たちは『食との競合がない廃棄物』の油から作ることができる。パーム油の製造現場など、海外に展開できればとてつもないスケールになる」と話す。
「まずは東北に工場を作り大規模製造技術をしっかりと確立させ、自信を持って世界に展開したい。宮城県では化学分野の能力が活かせる専門職がなくて困っている学生もたくさんいて、そうした学生たちが活き活きと働けて研究開発ができ、海外の技術移転の際にも現地で率先して技術指導ができるような、そんな活躍の場づくりも目指したいですね」と、北川教授。
「階段の第一歩を踏み出したばかりですが、あらゆる分野で使われるエステル化合物の合成に使える基盤技術。こういうことができないか?というアイデアのある企業があれば、ぜひ声をかけてほしいです」

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